不動産コラム

抵当権とは

 抵当とは、物件の貸主が金融機関からお金を借り入れる際に設定される担保のことを指します。そして、賃貸物件の購入や建設をするためのローンの担保として抵当権が設定されます。ですので、物件の貸主がもしローンの返済が滞った場合には、担保としてその賃貸物件を競売にかけて、債権を回収する権利が抵当権と説明できます。また、抵当権は、所有権などと同様に登記簿謄本に記載され、法的に認められた権利です。返済が終わっていない築浅の賃貸物件に、抵当権が付いているのはごく普通のことだと言えるでしょう。

 また、もし賃貸物件で抵当権が実行された場合、まずは物件の貸主の返済が滞り競売にかけられます。そして、新しい貸主の意向に沿って退去の交渉がなされるという流れになります。

 このような事実がある以上、賃貸借契約の際に、不動産管理会社は入居する方に「物件に抵当権が付いていて、立退きを依頼される可能性がある」という旨の説明をする必要があります。ただ、抵当権の実行は、金融機関にとって債権の回収率も悪く、異なる手段で返済を継続する話し合いなどを行うため、簡単には実行されない旨も借主にお伝えする必要があります。

 よって、抵当権が設定されている物件では、重要事項説明で抵当権とはどのようなものか、実行されたときの退去の可能性について、しっかり説明を受けるようにしましょう。