不動産コラム

宅地建物取引士とは

 通称「宅建」や「宅建士」と呼ばれる不動産取引の国家資格が「宅地建物取引士」です。宅建試験に合格し宅建を取得することで不動産取引の専門家として認められます。今回は宅地建物取引士の主な仕事内容を三点ご紹介いたします。

 一点目は、契約締結前に行う重要事項の説明です。買主や借主などに「所有者は誰か」「不動産はどの程度の広さなのか」「登記について」など、物件や取引条件に関する様々な情報を、契約締結前に説明します。これが重要事項の説明です。この説明事項が記載された書面を重要事項説明書といい、不動産取引においてトラブルの発生を防ぐため、必ず宅建士が説明することになっています。

 二点目は、重要事項説明書面への記名です。重要事項の説明内容は広範囲のため、口頭の説明のみで理解することは容易ではありません。そこで、説明内容を記載した重要事項説明書を作成し交付します。この書面には、記載内容に責任を持つという意味で、宅地建物取引士が名前を書きます。不動産取引における重要書類に記名ができるのも、宅建士のみに許された仕事です。

 三点目は、契約内容を記した書面への記名です。実際に行った取引について、契約に関わる重要な部分が書かれた書面を契約書と言います。重要事項の説明が終わり、不動産の取引が成立したら、契約書を作成することになります。この契約書が不動産取引をしたことの証明で、契約書への記名も宅建士のみができる仕事です。

 以上、宅地建物取引士の主な仕事内容をご紹介いたしました。宅建士の資格では、不動産仲介会社が守らなければならない宅建業法や、不動産関連の民法を学びます。これらの知識を身に付けると、良い不動産仲介会社を選ぶことができたり、請求された費用が本当に必要なものかどうかを判断したりできます。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。