不動産コラム

原状回復義務とは

 賃貸物件の原状回復義務とは、住んでいた部屋を住み始める前の状態に戻すことを指します。次の入居者が気持ちの良い状態で賃貸物件に住めるよう、入居者には本来の状態に回復させる義務が課せられるのです。

 原状回復義務とは、わざと壊したり、不注意で傷をつけたり、掃除を怠ったりしてできた汚れなどは、入居者の使い方に問題があったとみなされ、その修繕費用は入居者が負担するということです。たとえば、家具を移動させるときにつけてしまった傷、飲みこぼしを放置してできたシミ、掃除をしなかったためにできたバスやトイレの水垢やカビ、飼っているペットがつけた傷やシミなどです。タバコによる壁の黄ばみや臭いも、自然に着色したものではないとして原状回復の対象に該当します。

 一方、賃貸借契約の内容によっては、上記のような原則にあてはまらない特約が記載されていることもあります。退去清掃料やクリーニング費、水回り消毒料など、具体的な金額が契約書に明記されています。細かい内容は物件ごとに異なるため、契約時に原状回復の内容をきちんと理解しておくことが重要です。

 東京都のガイドラインでは「手入れを怠ったことによるガスコンロ置き場や換気扇の油汚れの修繕は、借主の負担」と示されています。浴室やトイレの水垢やカビについても「清掃・手入れを怠った結果損傷が生じた場合は借主の負担」と記載されています。日頃よりお部屋の掃除を怠らないようにしましょう。